【男のロマンか、ただの修行か】アルファロメオ4Cスパイダーという怪物(変態車)を買ってしまった50代おっさんのリアルな感想



はじめに:50代・田舎暮らし・動体視力の衰えたおっさんのご挨拶

皆さんこんにちは。50代も半ばを過ぎ、いよいよ動体視力と体力の衰えを隠せなくなってきた、田舎暮らしのただのおっさんです。田舎なもので、ありがたいことにガレージこそありませんが、車を停める敷地だけはほぼ無限にございます。おかげで、乗る身体は一つしかないというのに、気がつけばおかしな車やバイクが敷地にゴロゴロ転がっているという、典型的なダメな中年オタクの末路を歩んでおります。

さて、今回のお題は、そんな私が血迷って手を出してしまった、ある「怪物」についてです。 そう、イタリアの異端児、「アルファロメオ4Cスパイダー」という変態車を買ってしまった感想を、包み隠さずお話ししようと思います。

ネットの自動車評論やSNSを見ますと、「カーボンモノコックを採用した現代の奇跡」「ピュアなドライビングプレジャーを満喫できる究極のライトウェイトスポーツ」なんて、綺麗な言葉で大絶賛されていますよね。お洒落なカフェの前に佇む4Cの写真なんて見ると、ため息が出るほど格好いいものです。

しかし、声を大にして言いたい。あんなものは、まやかしです(笑)。

【結論】実用性はマイナス100点、ただの動く「非日常体験マシーン」です

ここで、まずは私なりのアンサーファーストとして、結論を明確に申し上げたいと思います。

この車、実用性はマイナス100点、ただの動く「非日常体験マシーン」です。

大事なことなので、もう一度言いますね。
この車、実用性はマイナス100点、ただの動く「非日常体験マシーン」です。

ここから、なぜこのアルファロメオ4Cスパイダーという怪物(変態車)が、一般的な感覚からすれば「正気の沙汰ではない」のか、私の哀れな実体験を交えてじっくりと解説していきましょう。ネットのレビューに騙されてはいけません。現実はもっと過酷で、そして滑稽なものです。

家族持ちのおっさんが「10年落ちの中古のラテン車」を買うという恐怖

まず、車としての素性がすでに危険極まりない。私が購入したのは、ピカピカの新車ではなく「10年落ちの中古のラテン車」です。これ、自動車界における「最も危険な買い物」の横綱だと思いませんか? いつどこで謎のエラーコードを吐いて不動車になるか分からないスリルと、常に隣り合わせの日々。壊れるスリルと不便さを愛するように脳を焼かれていなければ、毎日の胃痛で確実に寿命が縮まります。

しかも、私はこう見えて(どう見えて?)家族持ちの男です。 車高が地面に擦りそうなほど低く、そもそも2人しか乗れない車を、田舎の家族持ちのおっさんが買おうとするわけです。さすがにこれには、家庭内での少々のネゴシエーション(という名の、平身低頭な命がけのプレゼン)が必要でした。

「これは車ではなく、私の余生を輝かせるための美術品、いや、動く盆栽である」「資産価値が落ちにくいから実質無料である」とかなんとか、わけのわからない言い訳を必死に並べ立てて、なんとか我が家の、ほぼ無限にある敷地に迎え入れる許可を得たわけですが、あの時の妻の冷ややかな視線は、今でも私の老いた心に深く突き刺さっています。

さらに言えば、私の住んでいる場所は、冬になれば容赦なく雪が積もる田舎の雪国です。 こんな車高の低いミッドシップカー、雪国で冬に乗れるわけがありません。完全に冬眠確定です。1年間のうち1/3は、ただの「敷地を占拠する高価なオブジェ」と化します。家族から「何のために買ったの?」と聞かれても、私には力なく微笑むことしかできません。

積載量は絶望的:フロントすら開かない「はめ殺し」の割り切り

そして、荷物などの積載量に関しては、もはや「絶望的」という言葉すら生ぬるいレベルです。 一般的なミッドシップのスーパーカーであれば、フロントに申し訳程度のトランクスペースがあったりするものですが、このアルファロメオ4Cときたら、なんとフロントボンネットが「はめ殺し」になっていて開きません。ボルトでがっちり留められているため、一般ユーザーが日常的に開けることは不可能な構造なのです。

「じゃあ荷物はどこに積むの?」という話ですが、リアのエンジンフードを開けた、熱々のエンジンのすぐ真横に、これまた小さなバッグが2個くらいしか入らないような、熱気ムンムンのスペースがあるだけです。ここにスーパーで買った生鮮食品を入れようものなら、家に着く頃には見事な温野菜と火の通ったお肉が出来上がることでしょう。日常の買い物に使うことすら、この車は全力で拒絶してくるのです。

我が家の贅沢(?)なフリートたちとの比較

ここで、私の頭の悪いフリート(所有車)たちの顔ぶれと比較してみましょう。私の敷地には、とにかく私の偏った趣味の犠牲になった乗り物たちが並んでいます。

  • アドリア ソニック700SL:最高峰の快適性を求めて購入した巨大なキャンピングカー。しかし、いかんせん田舎の細い道や私の衰えた運転技術にはデカすぎて、ほとんど乗っていません。完全に敷地内での「動く豪華なエンジン付きの犬小屋(たまに避難所)」と化しています。

  • トヨタ ハイエース S-GL:我が家で最も大活躍しているお気に入り。愛犬のシェパードを快適に乗せるため、エンジン停止中でも家庭用エアコンをポータブルバッテリーで駆動できるよう、キャンピングカー屋さんでゴリゴリにカスタムしてもらいました。もっぱらどこへ行くのもこれです。エアコンは効くし、荷物は無限に積めるし、犬は喜ぶ。

  • スバル インプレッサ GDA:わざわざ6速化まで施した変態仕様。4Cに比べれば、これでも実用的なファミリーカーに見えてくるから不思議です。

  • ランドローバー ディフェンダー90:新型の頼れる相棒。雪国にはこれが最高です。

バイクに目を向ければ、35年前のフルノーマル状態を維持している「ホンダ モンキー」があります。これが私の全ての原点なのですが、私のバイク免許の持ち駒は、実は「原付免許」のみ(笑)。脳内ではいつかはハーレーダビッドソンやインディアンといった、孤高の大型アメリカンバイク(クルーザーやボバー)に乗りたいと本気で妄想しています。現実は原付のおっさんですが。

これだけ実用的なハイエースやディフェンダーがあるからこそ、4Cスパイダーの「狭さ、硬さ、視界の悪さ、積載のなさ」という地獄の四重奏がより一層際立つのです。

それでも、ドアミラーに映る美しいボディラインに脳を焼かれて

そんな実用性皆無、危険度MAXの4Cスパイダーですが、世間一般のスーパーカーから見れば「スーパーカーの最底辺(価格的な意味で)」に位置するのかもしれません。フェラーリやランボルギーニのような、数千万円する雲の上の存在ではありませんからね。おっさんの小遣いを限界まで引き出せば、なんとか手が届いてしまう、最底辺の怪物です。

しかし、いざコクピットに収まり、サイドミラーに目をやった瞬間、全ての不満が霧のように消し飛びます。 ドアミラーから見えるリアフェンダーの、あの妖艶でグラマラスなボディライン。これが本当に、恐ろしいほどに美しいのです。

この美しいボディラインを眺められるという一点、そしてアクセルを踏み込んだ瞬間に背中から響く凄まじい爆音と、地を這うような加速力。この値段で得られる「非日常体験」の濃さだけで言えば、間違いなく超一級品です。重たいステアリングを両手でねじ伏せ、カーボンモノコックの振動をダイレクトに腰で受け止めていると、完全に脳のドーパミンが異常分泌されます。体力の衰えた50代のおっさんが、一瞬だけ少年(あるいはタチの悪いオタク)に戻れる魔法の時間が、そこにはあります。この瞬間を味わうためだけに、全ての不便を受け入れていると言っても過言ではありません。

【現実的なアドバイス】まともな移動手段が欲しいなら、国産車やレクサスに乗りなさい

だからこそ、あえてもう一度、冷や水を浴びせるように冷静になってアドバイスをさせてください。

もしあなたが、まともな移動手段としての自動車や、洗練された快適性、あるいは家族との平和な時間を求めているのであれば、悪いことは言いませんから、国産車やレクサスを買いなさい(笑)。

あちらには、ボタン一つで涼しい風が吹き、静かに、そして絶対に壊れずに目的地へと快適に運んでくれる、本物の技術と「大人としての正しい選択」があります。荷物も載れば、人も4人以上乗れます。それが普通の、配置として正しい自動車の姿です。

アルファロメオ4Cスパイダーという車は、そうしたまともな理性を全てドブに捨て、不便さや危うさ、そして10年落ちラテン車特有のいつ壊れるか分からないハラハラ感すらも「愛おしい」と思えてしまう、私のような手遅れのオタクだけに許された、狂気の趣味の世界なのです。

おわりに

今日も私は、エアコンの効いた快適なハイエースで愛犬のシェパードとドライブしつつ、帰宅して敷地に佇む4Cスパイダーの美しいボディラインを眺めては、「いやぁ、本当に変な怪物(変態車)を買ってしまったな」と自嘲気味にニヤニヤしております。全く、反省の色がありませんね。

不便さをこれほど愛おしく感じてしまうのは、男のサガなのか、それともただの中年オタクの病気なのか。答えは出そうにありませんが、この壊れるスリルも含めて、もう少しだけこの怪物と付き合ってみようと思います。

本日は、田舎のおっさんの見栄と自虐に満ちた雑談に最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

まあ、そのうち大型免許も取ります(まずは中免からですが)(笑)。