大型フルコンを買ってもハイエースを手放してはいけない理由。『ハイ&ローMIX』が日本のキャンピングカーライフの最適解だった



どうも、田舎の片隅で無駄に広い敷地(だけ)を所有し、日々衰えゆく視力と体力に怯えながら生きている50代のおっさんです。

で、今回はキャンピングカーのお話です。

「今まで乗っていたハイエースから夢のフルコンに乗り換えよう!」

ネットの掲示板やSNSを見ていると、そんな風に悩んでいる方をよく見かけます。
「1台にまとめた方が維持費も安くなるし、スマートだよね」なんていう賢い一般論が語られがちですが、私はそんなスマートな意見に対して、マイルドに、しかし力強く突っ込みを入れたいのです。

もし今、そんな風に悩んでいる方がいたら、私は全力でこう伝えたいです。

絶対に、ハイエースを手放してはいけない。

大事なことなので、もう一度言いますね。

絶対に、ハイエースを手放してはいけない。

持っていて損することなんて、物理的な保管場所(※私には雪に埋もれる無駄な土地があります)以外に絶対にありませんから。

迷走の果てに行き着いた『ハイ&ローMIX運用』

実は私、キャンピングカーライフの始まりは「ハイエース(ワイド・ガソリン)」でした。そこからキャブコンのZil520、全長7mのサンリビングへと乗り継ぎ、ついに最高峰、フルコンである「アドリア ソニック 700SL」へ到達したわけです。

しかし、ソニックに乗った瞬間悟りました。「あ、やっぱりこれだけじゃどこにも行けないやつだ」と。

そこで私は一度手放したハイエースを激しく後悔し、改めて「ハイエース(ナロー・ディーゼル)」を買い直して追加投入したという恥ずかしい過去があります。

その果てに行き着いた結論こそが、大型フルコン(ハイ)×ハイエース(ロー)を組み合わせる『ハイ&ローMIX運用』なのです。なぜ1台にまとめず、わざわざハイエースを買い直してまでこの2台体制をとるのか? 50代のおっさんが体験した、日本の道路事情とキャンピングカーライフのリアルな現実をお話しします。

なぜ「2台持ち」がマストなのか?(7m超の壁と日本の現実)

全長7m級のサンリビングから、さらに巨大なアドリア ソニック 700SLへ乗り換えるにあたって、私には最初から分かっていたことがありました。

「日本でこのサイズに乗る以上、そのうち絶対に『物理的なサイズの限界』にぶち当たる」ということです。

フルコンはとにかくデカく、死角だらけで運転席からの視界も厳しい。車幅2.3m超、全長7m超の巨体を、50代の衰えた視力と反射神経で操るのはなかなかの苦行です。さらに我が家には愛犬の大型シェパードがおり、停車中のエアコン稼働は絶対条件。普通の乗用車では代用できませんし、家族連れ+大型犬となると軽キャンパーも厳しい。

となると、買い直したナローボディのディーゼル4WDハイエースを、ショップで「エンジン停止中でもポータブルバッテリーで家庭用エアコンがガンガン動く仕様」にカスタムして追加増車する以外の選択肢はありませんでした。

実際にソニックとハイエースの2台体制で運用してみると、その判断は完全に正解でした。

目的地の道幅や駐車場が100%クリアされていると分かっている場所ならソニック一択ですが、初めて行く場所はGoogleマップのストリートビューでの事前確認が必須。場合によっては施設へ直接「7m超・幅2.3m超でも停められますか?」と電話で問い合わせます。

そして、私が出した結論は「疑わしきはハイエース」。

特に東京・大阪・名古屋・京都といった都市部は迷わずハイエース一択です。

ソニックで都心に行くなんで自殺行為です(笑)。

大型フルコンだと、都市部ではコンビニの駐車場に寄ることすら「詰み」の原因になりますから。結果として、我が家の巨大なアドリア ソニック 700SLは、デカすぎるが故にほとんど乗らずに敷地の肥やし(ただのデカいオブジェ)になりかけ、買い直したハイエースでお出かけするという逆転現象すら起きています。

忘れられない「冷や汗」の記憶と、ハイエースという「保険代」

以前、ソニックで出かけた時のことです。前日の大雨で道路が崩落し、急遽片側交互通行になっていた現場に差し掛かりました。

工事用の赤パイロンで極限まで狭められた道幅。看板が見えた瞬間、50代のおっさんの背中に嫌な汗が吹き出します。

「あ、これマジで詰むかもしれない……」

助手席の妻の協力なしには通過できず、冷や汗をダラダラ流しながら死ぬ気ですり抜けました。フルコンは自分が良くても、駐車枠をはみ出したりして周りの人に迷惑をかけてしまうこともあります。だからこそ「無理な出動をしない」ための逃げ道(引き出し)が必要であり、そのためにハイエースを追加したのです。

そして、ここで現実的なお金の話をしましょう。

「2台も所有したら維持費がもったいないじゃないか」と思うかもしれません。ですが、ハイエース(特に4WDのディーゼル・バン登録)の維持費なんて、年間で見れば自動車税と車検費用を合わせても大した額にはなりません。しかも、ハイエースはリセールバリューが異常なまでに高いため、数年乗って売却しても車体価値がほとんど落ちないのです。

つまり、ハイエースを維持するコストというのは、「大型フルコンで擦って何十万、ヘタしたら100万円単位の修理費や板金代を飛ばすリスクを回避するための『超格安な保険代』」なんですよ。

死角だらけの大型フルコンで無理をして街中に突撃し、看板やブロック塀に車体をガリッと擦ってみてください。外車フルコンのFRPボディや特注パーツの修理見積もりを見た瞬間、ショックで泡を吹いて倒れますからね(笑)。そのリスクを数万円程度の年間維持費で完全に回避できると考えれば、ハイエースを残す(買い増す)選択は、むしろ経済的ですらあるのです。

疲労度のソニック vs 機動性のハイエース

じゃあ買い直したハイエースだけで良いのかと言われると、それも違います。

移動中、大型犬のシェパードも足元広々で体を横にして寝られるソニックが大好きです。目的地に着いてしまえば、圧倒的な豪華ホテル級の快適空間と完璧なエアコン環境が待っています。行ける店が減ってでもソニックを選びたい、というのが本音です。

逆にハイエースは、どこにでも行ける機動性は無敵ですが、長距離の乗り心地はそれなりに厳しい。「乗っている家族全員で耐える」感覚があり、旅が終わった後の50代の体への疲労感が全然違います。

  • ソニック(ハイ): 目的地が確定している「計画的で最高の快適旅」
  • ハイエース(ロー): ぶっつけ本番、狭い温泉街、気ままな「機動旅」

この2台があるからこそ、無理な計画を立てずにストレスフリーで旅ができる。「選択肢がある幸せ」こそが、ハイ&ローMIX運用の醍醐味なのです。

ハイエースは、すべてのカーライフの「軸」です。

私にとって、手放した後に買い直したハイエースは、すべてのカーライフの「軸」です。

基本に万能なハイエースを置いておき、そこに足りない能力(極上の居住性や圧倒的な快適さ)を補うものとしてアドリア ソニックを選ぶ。このベースがあるからこそ、私は壊れるスリル満載のアルファロメオ 4Cスパイダーなんていう車も持っていられるし、巨大なフルコンも安心して所有できています。

「フルコン1台にまとめて、日本の道路事情にストレスを感じながらビクビク乗り、擦って何十万も飛ばす恐怖に怯える」のか。

それとも「ハイエースを手元に残し(あるいは買い直し!)、ハイ&ローMIXで日本の四季をストレスフリーに楽しむ」のか。

大型キャンピングカーの購入や乗り換えで迷っている変態的な同志の方は、ぜひ「ハイエースを残す」という選択肢を真剣に考えてみてください。絶対に後悔しないはずです!

不便さを愛おしむのがオタクの性(さが)ではありますが、旅のストレスで余計にハゲそうになるのだけは避けたいですからね。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。