みなさん、こんにちは。田舎でひっそりと暮らしている50代の、ただの車好きのおっさんです。
ガレージ? そんな上等なものはありません。ただ、田舎なので車を停める敷地だけはほぼ無限に存在します。しかし、年々視力や体力の衰えをひしひしと感じており、最近は車に乗る前にも一回深呼吸が必要な年頃になってまいりました。
さて、今回は私が所有している愛車の一台、「アルファロメオ 4Cスパイダー」についてお話ししたいと思います。
ネットや自動車雑誌を開けば、「オープンカーを買ったら、心地よい風を感じて海岸線を流すのが至高の贅沢!」なんて、キラキラした夢のような言葉が並んでいますよね。
結論から申し上げます。
オープンカーを買っても、屋根は開けません。
大事なことなので、もう一度言いますね。
オープンカーを買っても、屋根は開けません。
「じゃあ何のためにスパイダーなんて買ったんだ」とお叱りを受けそうですが、これが50代オタクのリアルな現実なのです。
前車のBMW Z4から何も学習していないおっさんの末路
実は、4Cスパイダーの前にもBMWのZ4に乗っていた時期がありました。その時もまったく同じだったのです。「屋根は開く構造になっているけれど、基本的には一切開けない」。
普通の人なら「あ、自分にはオープンカーって向いてないんだな」と学習して、次は素直に普通のクーペを買うはずですよね。しかし、人間というのは本当に愚かな生き物です。Z4から何一つ学習することなく、私は再び屋根の開く車……それも「アルファロメオ 4Cスパイダー」を買ってしまいました。
「Z4のときに同じことを学んだはずなのに、また同じような車を買った」と我ながら思いますが、自分でも呆れるくらい学習能力がありません(笑)。
しかし、言い訳をさせていただけるなら、日本で、そしてこの車で屋根を開けないのには、ぐうの音も出ないほど圧倒的な理由があるのです。
4Cスパイダーのトランク容量は「存在はする」レベルの絶望
まず、物理的な構造の問題があります。
4Cスパイダーのトランクは、もともと「存在はする」程度のミニマムなサイズしかありません。スーパーで一週間分の食材を買ってきたら、それだけでパンクするような容量です。
で、この車のソフトトップ(屋根)を外すとどうなるか。
外した屋根をくるくると丸めてトランクに収納するわけですが、それだけでトランク容量の約8割が埋まります。
残りの2割に何が入るかというと、標準装備のパンク修理キットです。はい、終了です。これで4Cのトランクは完全に物理的限界を迎えます。パンク修理キットと屋根を入れた瞬間に、我が4Cスパイダーの収納スペースはこの世から消滅するのです。旅先で美味しそうな地元の野菜やお土産を見つけても、買うことすら許されません。
日本の四季はオープンカーに一切優しくない
物理的なトランク問題以前に、日本の気候という根本的な壁が立ちはだかります。そもそも、日本で屋根を開けられるシチュエーションなんてほぼ存在しないのです。
- 春: 花粉が猛威を振るうため、開けた瞬間に車内が花粉まみれ&目と鼻が終了。
- 夏: 酷暑。直射日光で熱中症になりかけ、エアコンも効かず地獄絵図。
- 秋: ちょっとだけ「開けようかな」という気分になる奇跡の数週間。
- 冬: そもそも寒すぎて無理。雪や凍結で田舎の道は乗ることすら命がけ。
結果として、年間で屋根を開けて走る機会は、体感で2〜3回あるかどうかです。数えてみると絶望的な数字ですね(笑)。
それでも「スパイダー」を選んだ理由
「年間2〜3回しか開けないなら、最初からオープンにできないクーペでよかったじゃないか」
ごもっともなご意見です。しかし、私のような「持っているだけで満足するタイプ」のオタクにとって、そこには譲れない一線があるのです。
私がスパイダーを選んだのは、「いざとなれば開けられる」という選択肢があること、そして何より「屋根を開けた状態のビジュアルが好きだから」です。
実際に開けて走るかどうかは、正直あまり関係ありませんでした。
持っているだけで満足なタイプの私にとっては、「開くけど開けない」のと「初めからオープンにできない」のとでは、天と地ほどの違いがあるのです。ガレージもない田舎の広い敷地にポツンと車を停め、たまに屋根を外して「うむ、やっぱりオープン時のビジュアルは最高だな」とニヤニヤ眺める。それだけで、買った価値の100%を回収できています。
Z4のときに同じことを学んだはずなのに、また同じような車を買いました。しかし、たぶんこれが私にとっての「正しい車の買い方」なのだと思っています。
おわりに
車というのは実に不思議な乗り物です。不便になればなるほど、そして合理性から遠ざかれば遠ざかるほど、なぜか愛おしさが増していくのですから。
屋根が開くのに開けない。トランクには何も入らない。そんな不合理の塊のような4Cスパイダーですが、私にとっては脳を焼き尽くすほど魅力的な相棒です。この不便さを愛でることこそが、中年オタクの密かな生きがいなのかもしれません。
本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。